ソフトウェア保守契約書

継続的にソフトウエアの保守を依頼する

企業が業務に使用しているソフトウエアの多くは、専門のITベンダーに開発を依頼したものです。

わかりやすいものとしては、銀行など金融機関が提供しているATMのネットワークシステムがあります。

時折、ニュースでそうしたインフラネットワークの一部に障害が発生してしまったというようなことが伝えられますが、トラブルが起こった時に対応をするのは開発を担当した企業です。

大規模なシステムになるほど、実際に運用をしてみて初めてわかるバグやトラブルというものがあり、また近年世界的に増えている悪質な犯罪組織によるハッキングが起きたときには初動が非常に重要になります。

そのためソフトウエアの開発を依頼する場合には、同時に保守契約をするというのが一般的です。
ソフトウエア開発契約とソフトウエア保守契約は別々に行うようになっており、発生する費用についてはどのような負担をするかということを取り決めていきます。

保守契約は月額で報酬を支払い、そのかわり何らかの不具合が起きたらその場合には迅速に対応をする、という形にするのが一般的です。

ユーザーがいる場合はどこまで責任を取るか

金融機関のネットワークのように使用する範囲が限定されているソフトよりも、契約が複雑になるのがユーザー向けのソフト開発です。

近年増えている事例としては、「宿泊施設の予約システム」や「クラウド型のデータサービス」「人材エントリーシステム」といったようなものがあります。

こうした一般ユーザーが使用するソフトウェアの場合、システムに重大な欠陥があるとユーザーの個人情報が漏洩するなど重大な損害が発生してしまうことがあります。

そうした場合、ユーザーからすると運営をしている施設や企業の責任という認識になりますが、実際にはそのシステムを構築しているITベンダーの責任ということになるのです。

そこでソフトウエア保守契約書では、そうした何らかの不具合や損失が発生したとき、どこまでを開発側が負うかということをしっかり決めていくことになります。

また、開発においては自社内のネットワークに関する重大なログイン情報を開発業者が知ることになりますので、厳しく守秘義務を守るということを定める必要があるのです。

請負をしたベンダー側が派遣社員やアルバイトでプログラマーを雇ったことで、その人が退職をするときにこっそりと重要な個人情報を抜きとって他の業者に売却するといった事件が起こっています。

そのためソフトウエア保守契約は前段階であるソフトウエア開発契約書と連動して、トラブル時の責任の所在や問題が発生したときの対応について一貫して定めていくようにします。