翻訳出版契約書

翻訳書が出版されるまでの流れ

海外で大人気の小説シリーズが出版されたときは、日本語版が同時もしくはやや遅れて独自に出版されます。

通常の書籍物と異なり翻訳書というのは既に別に著作者がいる出版物に対し、それを別の言語にして新たな出版物とする特殊な権利形態です。

ですので、一般的に別の言語で書かれた出版物を翻訳して出版したいという場合には、まず新たな書籍にしたいという出版社が、もともとの書籍を出版した出版社にかけあい、その権利を買い取るための交渉をします。

翻訳者が自ら出版をしたい書籍を交渉し、それを出版社に持ち込むこともありますが、その場合も最終的には出版社同士の契約となります。

「原盤・楽曲使用許諾契約書」において最初に定めるのが、その書籍のどの範囲までを翻訳するかという事です。
出版書籍という形になっているものは表紙やカバー、挿絵や図形などといったものが含まれますので、どの部分を使用するかという許可範囲をまとめます。

次に翻訳をする言語や翻訳後の書籍の販売地域、販売形態などを決めて、具体的に出版後にどういった売られ方をするかということを作者と共に決めていきます。

また最も重要になるのが「独占契約」にするということです。
上記までの条項で決めた出版物についての取扱は契約をする出版社のみのものであり、他に同じ地域や言語で販売される書籍は出版しないということを約束します。

それと著作物ということで、いくら翻訳であっても勝手に改変や修正はしないということまでを決めて、一通りの契約は終わります。

翻訳書の印税の取扱

翻訳書の場合には、印税についても別途取り決めをすることになります。
通常の書籍の場合には、出版社が作者と話し合いで印税を決めますが慣例的には最大で10%程度、普通は7~9%くらいのレンジです。

翻訳書においても出版社と取り決める印税の%はこれと大差はなく、つまり同じ割合の中で版権使用料と翻訳料を割り振ることになります。

海外で出版された原書が大変人気があり、作者も力のある人で場合には当然原作の版権使用料が高くなりますので、その分翻訳料が低くなってしまいます。

実際の出版物の例を見てみると、トータル8%の印税で契約をした場合、原作使用料6%・翻訳料2%というときもあれば、原作使用料4%・翻訳料4%という場合もあり、まちまちです。

そのあたりが翻訳者を選ぶときのキモになることが多く、出版社同士の契約交渉次第でどのような翻訳書になるかが変わってきます。

本当は有名な翻訳者に依頼をしたいけれども海外の出版社との交渉が折り合わず、翻訳料が安くなったために安く引き受けてくれる人にしか依頼できない、なんていうことも起こるのです。